ちろちろができるまで⑤:闘う決意

レシピ / RECIPE

(本レシピのポイント(作成者:ちろちろ))

✔ 告白したが、日本社会の無理解を理由に断られた

✔ それでも傍にいたかったから、このブログを始めた

すぐにきゃんきゃんに告白した。しかし、答えは、「NO」であった。

私と付き合ったら、手も繋げない。何より、ご両親に悪いし。

彼女は、日本の現実をよくわかっていた。
手をつないで歩いたら、職場の人にバレてしまうかもしれない
―両親や知人は「生産性のない」同性愛に「走った」人間を理解できないだろう。
結婚できないから、様々な制度上の恩恵も受けられない

彼女の言う通りだ。それでも、好きだから、諦めたくなかった

きっと状況を変えてみせるから、信じて手を取ってほしい。

何度も何度も、繰り返しそう伝えた。あわせて、何を変えるべきなのか考えた。

たどり着いたのは、今の日本では、「普通」のLGBT+の人々が可視化されていない、という結論だ。テレビの中の華々しい芸能人ではなく、電車で隣に座っているような、「そのへんの」人々がもっと身近に感じられれば、手をつないで歩くこともできる。傷ついても助け合える。同性婚の法制化だって夢じゃない。そもそも、私が公務員を志したのは、どんな人でも、楽しく幸せに暮らせる社会を作るためだ。

LGBT+の一員であることを広くカミングアウトする最初の国家公務員になることを、そして、考えを表明するためにブログをすることを決めたのは、この時だ。その決意も含めて、何度も彼女に愛を伝えた結果、2020年の春、結ばれることができた

これから、何が待っているかわからない発信することに、正直、恐ろしさもある。ブログの存在を知った友人から、「税金で暮らしているくせに、私的な幸せを求めるのはどうかと思う」と言われたのは、ショックだった。母親に「しょうがないけど…孫の顔が見たかった」と泣かれたのも悲しかった。きゃんきゃんと手をつないで歩くとき集まる視線は、動物園の珍獣に対するそれだ。

それでも、私は、彼女の手を離したくない
だから、今日もこうして、ブログを書く

コメント / COMMENT

  1. […] (「⑤闘う決意」に続く) […]

  2. […] articles that author wrote.(Author: ちろちろ/Chihiro)日本語版:Part 1 / 2 / 3 / 4 / 5English:Part 1 / 2 / 3 / 4 / 5(Author: きゃんきゃん/Candice)日本語版:Part 1 / […]

  3. […] 8月の人事異動で現在の部署に移ったとき、同性の恋人がいることをカミングアウトした。省内でのLGBT+の可視化が目的だったが、正直、かなり不安だった。周囲の私に対する態度が、がらっと変わるのではないか。陰口を言われたり、敬遠されるのではないか・・・。  […]

  4. […] 「なんで法的に結婚できないのに結婚式を挙げたのか」と思った人もいるだろう。理由はシンプルだ。「可視化のため」である。もう少し詳しく言うと、①私は彼女に、「LGBT+コミュニティの可視化を通じて現状を変える」ことを約束した。②結婚式を挙げることで、法的に結婚できない不合理がより可視化される。③さらに言うと、同性愛というのは、とかくはかないものと思われており、「気の迷い」とか「一時の遊び」とか言われるので、それに対してそんなことないぞ!というメッセージにもなる。 […]

  5. […] 私は、30年間ジェンダーの箱の中で生きてきた。箱の中にはトゲがついていて、少しずつバラバラになった。ラジャさま&きゃんきゃんと出会って、箱がはじけ飛び、破片が飛び散った。それを拾い集めて、今の私ができた。 […]

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