(本レシピのポイント(作成者:ちろちろ))
✔ 「ル・ポールのドラァグレース」のラジャ様が、ジェンダーの狭い箱の外の世界を見せてくれた
✔ 箱の外に出たいと強く願った
2018年初頭、鬱屈した思いを抱える中、ネトフリで「ル・ポールのドラァグレース(以下、RPDR)」の広告を見た。全米一のドラァグクイーン(女性の姿をする男性のパフォーマー)を決めるために、候補者が競い合うリアリティ番組だ。
厚労省に私が入る決め手になった「プリシラ」という映画を思い出した。面接で「好きな映画は何?」と聞かれた私は、こう答えた。
「プリシラ」という、3人のドラァグクイーンが沢山の差別や挫折を経験しながら、懸命に生きる映画です。この映画のおかげで、ドラァグクイーンと呼ばれる人たちがいること、彼女たちがどういう喜びや苦しみを味わっているのか知ることができました。
映画の醍醐味は、違う価値観に触れられることだと思いますし、厚生労働省の仕事は、そうした多様な価値観に応えることだと思います。
この回答に試験官が感銘したそうで、入省できたのだった。働き方がわからなくなってしまった今、RPDRは何かヒントをくれるかもしれない。
そうして見始めたRPDRのシーズン3、ラジャというクイーン(以下「ラジャ様」)に、目が吸い寄せられている自分がいた。なぜこんなに惹かれるのかわからなかった。
終盤、司会者がラジャ様に、「なぜ勝ちたいのか」と聞いた。目に涙を浮かべながら、彼女は答えた。
沢山の人がジェンダーの狭い箱の中に閉じ込められている。勝って、そういう人の「希望の灯台」になりたい。箱の外に出ていいんだよ、ジェンダーなんか下らない!って叫んでいいんだよって、伝えたい。
気が付くと、泣いていた。惹かれる理由がわかった。ラジャ様のドラァグは、ジェンダーの固定観念を引っ掻き回す。両性具有的、男性的、女性的であって、そのどれでもない。ラジャ様はずっと、「箱の外」を見せてくれていた。私も「箱の外」に出たい。目が痛くなるほど泣きながら、そう思った。
(「④きゃんきゃんとの出会い」に続く)
コメント / COMMENT
[…] (『③:ラジャ様との出会い』に続く) […]
[…] see the articles that author wrote.(Author: ちろちろ/Chihiro)日本語版:Part 1 / 2 / 3 / 4 / 5English:Part 1 / 2 / 3 / 4 / 5(Author: […]
[…] 私は、30年間ジェンダーの箱の中で生きてきた。箱の中にはトゲがついていて、少しずつバラバラになった。ラジャさま&きゃんきゃんと出会って、箱がはじけ飛び、破片が飛び散った。それを拾い集めて、今の私ができた。 […]
[…] そうそう、ラジャ様に結婚立会人になってってお願いしといたよ […]