女性同士の恋愛を読む際の安心ポイント①~⑤

レシピ / RECIPE

本レシピのポイント(作成者:ちろちろ)

✔ 前回まで男性同士の恋愛作品を読む際の安心ポイントを述べたので、続いて、女性同士の恋愛を描いた作品を読む際の安心ポイントを述べる。

✔ あくまで私の個人的見解なので、参考として読んでいただければありがたい。

前々回、前回と、男性同士の恋愛作品を読む際、ひとりのパンセクシャル(性別にとらわれず人を好きになる人)としてこういう点が押さえられていると安心だ、という記事をあげたところ、けっこう反響があった。

そこで、今度は、私が女性同士の恋愛を描く作品を読むとき、ここが押さえてあると安心!という10のポイントを紹介したい(長くなるので、今回の記事では前半、①~⑤をご紹介する)。

※男性同士の恋愛作品についての記事で述べた通り、絶対にこれらを守って!というものではなく、以下のポイントを踏まえた作品だと、同性の恋人を持つひとりの読者として嬉しい、という話である。

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安心ポイント①:性的シーン以外も描かれる

以前の記事で述べた通り、いわゆる「百合」漫画(この言い方自体、好きではないが…)というものの多くは、肉体的な描写…はっきり言うとおせっせにほとんどのページを割いているので、ふたりが喋っていたり、買い物をしたり、仕事したり、ご飯を作ったりというシーンがあるだけで、実際に存在しているカップルとして描いてもらえている感があり、ほっとする。

安心ポイント②:「レズビアン=性に奔放」というステレオタイプから脱している

【安心できない例】
「〇〇ちゃんだっけ、あの子はすごくかわいかったなー。△△ちゃんも好みのタイプ。◇◇ちゃんは体の相性がよくなくて一瞬で別れた。××ちゃんは…」
永遠に続きそうなAの羅列を、Bは慌てて遮った。

肉体的描写全振りの女性同士の恋愛作品が多いことによる影響だろうが、レズビアン(女性を好きになる女性)キャラが出てくる場合、交際経験が非常に多いなど、「女性なら誰でもいい」的なパーソナリティのことが多い。そういう人もいると思うが、「レズビアン=性に奔放」という偏見がある中で、こういうキャラばかりだと「エロが描きたいだけでは…」となってしまう。

きゃんきゃんのように、デミセクシャル(人を好きになりにくい人)のレズビアンもいるし、レズビアンであることと、性への積極性は関係ない。ゆえに、「性に奔放ではないレズビアンキャラ」が登場すると、その作品への信頼度は上がる。

安心ポイント③:「女の子は砂糖とスパイスと素敵な何かでできている」…と思っていない

【安心できない例】
・「女の子ってやわらかい、いいにおい」
・「Bちゃんの体、どこもかしこも甘い♡」
・「唇、ふわふわでしっとりしてる…!!」

別に我々はマシュマロではないので、「女性の体=やわらかい/甘い/すべすべ」的なイメージは完全にステレオタイプである。というか、女性が女性の体に触れて「女の子ってやわらか~い」となるのはどう考えてもおかしい。それまでの人生で自分の体に触ったことが一度もない設定なのだろうか?

あと家が不自然なほど綺麗だったり(ベッドにはぬいぐるみが並んでたり)、自炊が店を出せるレベルだったり、体毛が一切なかったり、心配になるほど痩せていたり、そういう人もいるのだろうが、「女性」に夢を見すぎである。

登場人物が長所も短所もあるひとりの人間として、等身大で相手と付き合っていくストーリーだと、読んでいて共感できるし、安心できる。

安心ポイント④:20代以上の女性が登場する

体感だが、「百合」漫画のほとんどは「10代の女性同士の恋愛」である。思春期の学生の葛藤や親への反発、将来への焦燥感を描きたいのかもしれないが、(明治時代にそうであったように)所詮一過性の、若いゆえの「あやまち」だ、と示唆されているようでかなしい。

女性の魅力としてやはり「若い」ことを求められるということなのかな、というのもモヤモヤポイントだ(男性同士の恋愛だと、「社会人もの」も盛んなので、ジェンダーギャップを感じる)。

ゆえに、成人女性同士の恋愛作品や、成人女性がメインキャラとして登場する作品のほうが、相対的に安心度は高い

安心ポイント⑤:現実を描いていること

【安心できない例】
私立百合学園…ここは男子禁制の女子の園。今日はプールの授業、更衣室に笑い声がさざめく。
「あ~、Bちゃんまた胸が大きくなったんじゃない?」
Bの豊かな胸を揉みしだくA。
「ちょっと、やめてよAちゃん、」
Bは赤面しながらその手を押しやった。

女子校に通っていた私の実体験として、更衣室で同意なく誰かの胸を触るような人はいなかった。「女子学生」というだけで痴漢にあったり、変質者に追いかけられたり、そんな体験を一度や二度はしたことがある仲間として、そういった行為は許されないという大前提があった。

「やたら制服のスカートが短い」とか(私が学生の頃は確かにスカートを短くするのが流行っていたが、さすがに全校生徒がパンツ見えそうなスカートを履いているというのは現実的ではない)、「校長が妖艶なおねえさん」とか、ひとつひとつの描写は「これはファンタジーだから…」と流せても、体験してきた現実とあまりに違うと、だんだん読むのが辛くなってくる

生理用品を切らして友達に貸してもらうシーンが描かれているなど、「現実を踏まえて書いてくれているんだな」と思える描写があると、安堵できるのは確かだ。

(⑥~⑩に続く)

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