女性同士の恋愛を読む際の安心ポイント⑥~⑩

レシピ / RECIPE

本レシピのポイント(作成者:ちろちろ)

✔ 前回に続いて、女性同士の恋愛を描いた作品を読む際、これが押さえられていると安心できるよというポイント⑥~⑩を述べる。

✔ あくまで私の個人的な見解なので、参考として読んでいただければありがたい。

前回に引き続き、パンセクシャル(性別にとらわれず人を好きになる人)の私が女性同士の恋愛を描く作品を読む際、ここが押さえてあると安心!という10のポイントを紹介したい。今回の記事では⑥~⑩をご紹介する。

※絶対に守って!というものではなく、以下のポイントを踏まえた作品だと、同性の恋人を持つひとりの読者として嬉しい、という話である。

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安心ポイント⑥:恋愛描写が丁寧であること

恋愛作品だから当たり前だろ、と思うかもしれない。だが、前回の記事でも触れた通り、「百合」漫画の多くは9割おせっせなので、以下のような展開が非常に多い。

【安心できない例】
・起:ふたりが出会いました
・承:おせっせしました
・転:おせっせしました
・結:朝食を一緒に食べたよ!やったね!

出会って5秒で合体のハイスピード展開。「どこに惚れたの?顔?」と思わず突っ込みを入れたくなる。

相手のどういうところが好きなのか。
どんな気持ちを抱いたのか。
相手との距離をどう詰めたのか。
デートはどこにいったのか。
相手はどうして主人公を好きになったのか。

そういう部分を丁寧に描いてくれる作品は、安心できる。

また、男性同士の恋愛作品でも同様のことを述べたのだが、「もしかして、これって…!?」という「匂わせ」で終わらずに、きちんと「レズビアン」や「パンセクシャル」などの性的指向を表す言葉を使って、「女性に恋愛感情を抱く女性」であることを明示してくれる作品は、間違いない、と思える。

安心ポイント⑦:女性同士の性交についての一定の知識のもとに描かれていること

男性同士の恋愛作品以上に、女性同士の恋愛作品はおせっせシーンが多いが、抽象的で、「何してるんだ…?」という描写が多い印象だ(一緒にお風呂に入ってるだけとか、裸でくっついてハアハア言ってるだけとか)。
※逆に映画やドラマだとなぜか異様に女性同士の性交シーンが長くそれはそれでげんなりするのだが…。

おせっせの形は人それぞれなのだが、女性同士の性交でも勿論リスクはあるので、フィンドム(指に装着するコンドーム)の描写があったり、爪を短く丸く切っていたりすると、「おお、知識がある人が描いているんだな」と思う。

安心ポイント⑧:男性の描き方が「極端ではない」こと

【安心できない例】
・やたら影が薄い男性しか出てこない
 (例:共学の設定で、背景の群衆含め、男性キャラが一切登場しないなど)
・やたら攻撃的な男性しか出てこない
 (例:「犯すぞ」等言ってきたり、急に抱きついてくるなど)

女性同士の恋愛漫画なので男性は不要、あるいは悪者ということなのかなと思うのだが、あまりに極端だと物語に入り込めない。特に攻撃的な男性がやたら多い系(夜道でハンマーをもって襲ってきたり、レイプされかかるなど)は、普通に怖いし、最低限注意書きをつけてほしい。恋愛漫画を読みたかったんだ、ホラーじゃない。

ちくっと嫌味を言われるとか、父親が頼りないとか、そういう現実に存在する範囲での「嫌なキャラ」「影が薄いキャラ」に関しては、むしろ話の現実味が増すと思っている。

安心ポイント⑨:片思いの親友ポジション、で終わらない

【安心できない例】
・女性に思いを寄せる女性が登場するが、片思い(親友ポジション)で終わる
・それで結婚式のあとカフェでひっそり泣いたりする

「百合」ジャンルでない作品にも、女性同士の恋愛が登場することがあるが、だいたい片思いエンドである。以前読んでいた漫画でも、明らかに親密な関係を感じさせる女性コンビがおり、当然最後にくっつくと思っていたら、片方がメインキャラ(男性)と何事もなかったように結婚し、もう片方はそれを笑顔で見送った後、無言で涙していた。相手が「普通に幸せになれるよう」身を引いたそうだ。

いや、もちろんそういうこともあるだろう。しかしその漫画の場合、メインキャラ(男性)と「いい雰囲気」になる描写が一切なかったにもかかわらず急にそういう展開になったので、何巻か読み飛ばしたのだろうか!?と焦った。その漫画以外にも、最後に異性愛中心主義に完全敗北する女性同士の恋愛をいくつも見るため、「女性と女性が結ばれる」描写だけでも安心してしまう

安心ポイント⑩:作品外での言動が信頼できること

最後は男性同士の恋愛と同じになってしまうが、作品の外(SNSなど)での言動が信頼できる作家さんの作品は、やはり信頼できる

たとえば、このブログでも何度も紹介している、安心と信頼の女性同士の恋愛漫画『作りたい女と食べたい女』(つくたべ)は、6月のプライド月間(LGBT+の権利・啓発月間)に以下のようなツイートをしてくれていて、とても心があたたかくなったのを覚えている。

以上、女性同士の恋愛作品を読む場合の安心ポイント①~⑩を紹介した。

男性同士の恋愛作品と結構かぶるかな、と思ったが、実際書いてみると、女性同士の恋愛作品には女性同士の恋愛作品特有の安心ポイントがあり、同じ同性同士の恋愛を扱った作品でも、「どんな作品が主流か」や、「読んでいて安堵感を覚える点」は違うのだなと認識した。

つくたべのような作品が増えることを祈る。

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