【ネタバレ有感想】エンパワメント映画…になりきれなかった『バズ・ライトイヤー』

レシピ / RECIPE

✔ 同性同士の恋愛描写で、14か国で公開禁止になった映画『バズ・ライトイヤー』を彼女とみてきました。

✔ エンタメ作品としては面白かったのですが(猫ロボット可愛い)、マイノリティのエンパワメント映画としては…でした。途中からネタバレ爆発なので、映画未見の方は、【ここからネタバレ有】と書いてあるところ以前までお読みいただいてからブラウザバックすることを推奨いたします。

きゃんきゃん
きゃんきゃん

以前、映画『バズ・ライトイヤー』の同性愛描写を巡る「LGBT描写ねじ込むな」論争をこのブログでとりあげました(下記記事)。

ちろちろ
ちろちろ

『ターニング・レッド』しかり、ディズニーはこれまで性的マイノリティを描くことを避け続けてきたので、その方針を転換した『バズ・ライトイヤー』でどんなふうに性的マイノリティへのエンパワメント(応援)を打ち出してくれるか気になり、きゃんきゃんと見てきました!!

きゃんきゃん
きゃんきゃん

結論としては、エンパワメント映画とはとても言えなかったけど、、、まあその話はあとでするとして、エンタメ映画としては面白かったよ!宇宙映画としてのお約束(無重力を感じさせるシーンや、宇宙の広さを描くシーン)たくさん詰まってたし、猫型ロボット可愛かったし。

ちろちろ
ちろちろ

正直あの映画の主役はあの猫ロボットではないかと…真顔でめちゃくちゃなこと言うの笑ったw

きゃんきゃん
きゃんきゃん

あと、バズの宿敵「ザーグ」の描き方はよかった。ザーグは設定ふわふわのキャラだからどうやって魅力的に描くのかなと思ってたんだけど、そういう展開にするのか!と。

ちろちろ
ちろちろ

SFらしい展開でよかったね!エンドロールは最後まで見ることをおすすめします^^

きゃんきゃん
きゃんきゃん

ただ、エンタメや小ネタに時間を割きすぎて、伝えたいテーマがぼやけちゃった印象。そこは残念だった。

以降、ネタバレありです。
映画をご覧になった方のみ、スクロールして、続きをご覧ください。

ちろちろ
ちろちろ

まあ、「同性愛者に対するエンパワメント」を期待して見た身からすると、正直肩透かし感はあった。レズビアンキャラであるアリーシャが一瞬で退場するというね。

きゃんきゃん
きゃんきゃん

アリーシャとバズが銀河を渡り歩いて大活躍!みたいなストーリーを想像していたので、映画開始後早々に退場したのには、正直「はいはい、もう同性愛者片づけましたよ、ここからは安心ですよ~」みたいなニュアンスを感じてしまった…。

ちろちろ
ちろちろ

あと、劇中でアリーシャの人生に意味があったか?という問いが提示されるんだけど、バズの回答が「子孫を残したから意味があった」みたいになっちゃってるんだよね…。結局、同性愛者だろうがなんだろうが子どもを産まないと「意味がない人生」ってことにされるのかと、大阪地裁判決(「結婚は子どもを作る関係性の保護」だと国が主張)のこともあって絶望した。。。

きゃんきゃん
きゃんきゃん

描き方が下手なんだよ。あのシーンのバズの答えが「不時着した先で懸命に生きている人たちが沢山いて、過去に戻ってその事実を消したら、その人たちの努力や生きた証まで消してしまうことになる」っていうことなら違和感はなかった。でも、この映画、不時着した先の惑星で暮らしている人たちの描写が薄すぎる。だから、唯一きちんと描かれているアリーシャとその子孫のことしかバズが考えてないみたいになっちゃって、結果的に子孫を残さない人生に意味がない、みたいな主張に聞こえてしまうんだよね。

ちろちろ
ちろちろ

キャラの掘り下げが甘いのは同感!!ポンコツ三人組も、アリーシャの孫・イジ―以外ほとんど背景が描かれず、最後なんか明るい顔してるからよかったねぐらいの感想しかない。不時着先の惑星でどんな人がどんな生活をしているのか、もっと描いてほしかった。登場人物が記号的な役割しか果たしてないので、「ねじ込み」という批判を否定しきれないのが辛い。

きゃんきゃん
きゃんきゃん

まあそれでも、これまでのディズニーなら何も考えずに異性愛者にしていたキャラを、いくつかの国で映画が公開できなくなるというデメリットがあっても同性愛者として描いてくれた、という点は評価したい。最初の試みなわけだから、不完全燃焼でもしょうがないのかな…。せっかくサンドイッチの話で「伝統的価値観も、時間がたてばひっくり返る!」というメッセージを入れてくれていたから、あと一歩踏み込んでほしかったけど…。

ちろちろ
ちろちろ

不完全燃焼といえば、バズの独断専行的な性格が結局最後までほぼ改善されなかったのも残念。仲間を一緒に連れていくことはできても、本当の意味でその仲間に頼るということは最後までできなかったように感じた。

きゃんきゃん
きゃんきゃん

トイストーリー本編でもバズはああいう性格だからしょうがないとも思うけど、自分だけで突っ込んでいく性質は何一つ変わってなさそうだよね。

ちろちろ
ちろちろ

あとさらにいうと、
・スペースレンジャーの仕事は?
・ハイパー航行でどこに帰りたいの?
・なんでバズが2人生じちゃったの?
・イジ―はどう2人の仲間を募った?
・なんでポンコツ3人組はバリアの中にいなかった?
・なんでザーグは基地を襲った?
等々、細かい設定の粗が多くて、「???」ってなったなあ…。

きゃんきゃん
きゃんきゃん

頭からっぽにして楽しむ分にはそれでいいんだけどね。2時間のお話できっちり整合性とるの難しいね。

ちろちろ
ちろちろ

しつこいけどやっぱり、天カス学園は名作だったよね…。

きゃんきゃん
きゃんきゃん

結局そこに戻ってくるよねw

ちろちろ
ちろちろ

結論:天カス学園は最高

(終)

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