何度傷ついたって世界を変えたい

レシピ / RECIPE

本レシピのポイント(作成者:ちろちろ)

✔ 4月の人事異動で改めてカミングアウトする機会があった。

✔ 毎回苦しみを味わうことになるけれど、それでも誰かに届く可能性があるから、続けている。

新年度を迎え、厚生労働省では大規模な人事異動があり、多くの同僚が入れ替わった。そうなると発生するのが、出身都道府県や家族構成など、お互いのバックグラウンドの情報交換である。

以前の記事で触れた通り、私は、「国家公務員にもLGBT+がいる」ということを可視化するため、きゃんきゃんと結婚していることについて、積極的に話すようにしている。

ゆえに、今回も、どんな反応が返ってくるか内心バクバクしつつ、勇気を振り絞って「自然に」カミングアウトしようと努めてきたのだが…

職員A
職員A

ご結婚されてるんですか?

私

はい、一昨年に結婚式をあげたばかりの彼女がいますよ。

職員A
職員A

…は?

…そうだ、そういえば!!僕の出身は〇〇県なんですが…〇〇が〇〇で…

あからさまに動揺されたり

職員B
職員B

お子さんいらっしゃったりしますか?結婚指輪されてるので、入籍されてるのかなと思い。

私

私はパートナーが同性なので、入籍は法律上できないんですよ。

職員B
職員B

・・・

突然押し黙られたり

まあ…一言で言うと、疲れる。少しずつ、心を大根おろし器ですりおろされている感じだ。

じりじり

どんよりしていたそんな時、元上司にばったり会った。正直、「うっ」となった。彼にカミングアウトした際、「あなたはそっちの人だったんだねえ…勘違いかもしれないから、少し様子を見るといいよ」と困惑気味に言われたのが、曲がった針のように心にひっかかったままだったからだ。

顔をこわばらせつつも無難な挨拶を口にする私をチラと見ながら、上司は口を開いた。

素上司
素上司

えと、この言い方でいいのかわからないけど、「パートナーさん」は元気かな?

私

え、あ、はい、「パートナー」で大丈夫です。仲良くやってます!!

上司
上司

そうか!パートナーシップ制度も色々問題がある制度だし、大変なことも多いと思うけれど、幸せそうで何より。コロナが落ち着いたら、ちゃんとお祝いさせてね。

私

あ、ありがとうございます。

上司の後ろ姿を見送るうち、だんだん目頭が熱くなってきた。

私のカミングアウトを受けて、
同性パートナーの呼び方とか、
パートナーシップ制度のこととか、
調べてくれた。向き合おうとしてくれた。

私の投げた小石は、空しく海に吸い込まれたわけじゃない。
ちゃんと波紋を起こしているんだ。

それが嬉しかった。

カミングアウトするたび、怖いし苦しい。
それでも、これからも世界を変えたいから、
私は明日も発信する。

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