生牡蠣のステレオタイプがけ 後悔のソースを添えて

レシピ / RECIPE

(本レシピのポイント(作成者:ちろちろ))

✔ ふだん、差別をしないためには視野を広く持つことが重要と言っていて、全くそれが実現できなかった話

✔ 失敗して血反吐を吐くことを繰り返しながら進んでいくしかない…

日本人は寿司とか刺身とか、生の魚介類を食べるんだって?信じられない!」 

留学中、夜のパブで、イギリス人にそう言われたことがある・・・生牡蠣をつまみながら

 「いや、それ(生牡蠣)も生の魚介類では?」 思わずそう返すと、その人はしばし驚いた顔で固まってから、「確かに・・・生牡蠣をそういうふうに捉えたことなかった、ごめん」と呟いた。 

 そして今、私はあのやりとりをため息をつきながら思い出している。

私も同じことをやらかしてしまったからだ

差別をする人の多くは、「自分も同じ立場になりうること」に気づかない

たとえば、以前の記事で触れた「貧困層には犯罪者が多い」という発言。「貧しい→心の余裕がない→犯罪に手を出す」と言いたいのだろうが、発言者だってもし手持ちが乏しい状況で高級レストランに入ってしまったら「心の余裕がなくなる」だろう。そんなとき、隣の客に突然「私の財布盗まないでよ?」と言われたら、どう思うだろうか? 

それから、「同性愛者は子どもが産めないから生産性がない」という発言。発言者が喫茶店のコーヒーを楽しんでいるとき、マスターに「生産性がないねえ。こんなところでぶらぶらしてる暇があったら、さっさと異性見つけて子作りしろよ」と言われたら、どう思うだろうか。

または、「パリは白人が多いから、パリがテーマなら、白人モデルだけ載ってる雑誌でもいいじゃん!」という発言。発言者がパリ観光にフランスに赴いて、「パリは白人が多いので、白人だけしか入国できません」と断られたら、どう思うだろうか。

 少し視野を広くしたらわかることなのに、気づかない。 

…などと偉そうに思っていたのだが、私も最近、やらかした。

「同性愛者は子どもを産む責任を果たしていない」という言葉にカッとなって、「同性カップルの子どもは日本で地獄を見ることになる(から生まない)」とツイートしたところ、お子さんがいらっしゃる同性カップルの方に、「地獄を見させるために生んでいるわけではない」とのご指摘をいただいた。

大変もっともである。短慮から許されない発言をして、本当に申し訳ない。 こうした過ちを避けるためには、

  • ①発言をする前に一度立ち止まって考えることを習慣にする
  • ②それでも過ちを犯してしまった際は、批判を素直に受け止める

しかない。たとえ加速し、氾濫する世の中で、それが非常に難しくなっているとしても。何度苦い後悔で血反吐を吐いても。 

深いため息をつきながら、そう自分に言い聞かせる夜である。

コメント / COMMENT

  1. […] ㊵生牡蠣のステレオタイプがけ 後悔のソースを添えて/The Oysters of Stereotype Taste Bitterステレオタイプがかかった生牡蠣は、差別の苦い味がした。I made a big, big mistake, which reminds me of the guy who ate raw oysters… […]

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