(本レシピのポイント(作成者:ちろちろ))
✔ 厚労省の全職員に、我々の結婚をメールで報告した(+結婚休暇も取得した)
✔ 巨大な組織に少しでもさざ波を起こせていたら嬉しい
週明け、10月26日10時。庶務さんにお願いして、1通のメールを送付してもらった。
宛先:省内全職員
件名:【寿】○○局○○課 ○○○○(当方の本名)さん
本文:お世話になっております。当課○○課 ○○ ○○ さんにおかれましては、かねてよりご交際の△△ △△(きゃんきゃんの本名)さんと、令和2年10月24日の佳き日にめでたくご結婚されましたのでお知らせいたします。
添付ファイル:下記写真
厚労省には、冠婚葬祭の時に(もちろん、本人の同意を前提としてだが)省内全職員に周知を行うというルールがあり、これに則ったものだ。私の知る限り、これまで、同性カップルで当該メールを流した例はなかった。事実、庶務さんからもらった結婚メールのひな形は、「めでたくご【入籍】されました」になっており、いらすとやの【タキシードとドレスに身を包んだ男女がにっこり微笑んでいるイラスト】が添えられていた。だからこそ、どうしても送りたかった。普通はつけない写真もつけることにした。このメールで勇気づけられる人がきっといると思ったから。
メールが送信されたのを確認してから、席を立って洗面所に向かい、手を洗った。冷たい水が手のひらを滑り落ちるのが心地よい。深呼吸して、胸の動悸を鎮めてから席に戻ると、幾人かの先輩からお祝いメールが届いていた。そのうちの一通をひらいてみると、 「なんだかまわりも楽しくなりそうでいい感じだね!まわりのまじめなおじさまと怖いお姉さま方は寿メールで頭が???になってざわついていました。」 という一行が目に飛び込んできた。よっしゃ、と思った。以前のカミングアウト記事でも述べたが、私は誰かの心を動かしたかった。静かな水面に波紋を起こしたかった。だからこのメッセージはシンプルに嬉しかった。
にこにこしながら次のメールを開くと、 「結婚休暇とれるんじゃない?」 という一言があった。え・・・入籍してない以上とれないはずでは?と思いつつも、休暇制度をチェックしてみると・・・厚労省の結婚休暇は「結婚の日(※)の5日前の日から結婚の日後1月を経過する日までの期間における連続する5日の範囲内の期間」にとれるとあった。その下の(※)に視線を滑らせると、
『「結婚の日」とは、社会的に結婚したと認められる日であり、「婚姻届の日」、「結婚式の日」等が有効。「結婚の日」としうる日が複数ある場合、いずれの日を「結婚の日」とするかは、当該職員が選択することができる。』
とあった。・・・「結婚式の日」も該当するのか!!高鳴る胸を押さえながら、彼女に結婚休暇が取れる旨、メッセージを送った。その間にも、メールボックスには先輩からのお祝いメッセージが1件、また1件と届いていた。
それから-パソコンをたたく度、左の薬指にはまった指輪の存在を感じながら、私は今日も厚労省で働き続けている(結婚休暇も無事取ることができた!!)。願わくば-いまはほとんどの人のメールフォルダの中に眠っているだろうが-あの1通のメールが、厚労省という巨大な湖の水面に波紋を広げ続けますように。
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