(本レシピのポイント(作成者:ちろちろ)
✔ 漢字、ひらがな、カタカナを自在に操る我々日本人は、「文字とイメージを結び付けること」に長けている(「生」という言葉が持つ「新鮮」で「いきいきとした」イメージを、「生チョコ」などの商品に活かすなど)。
✔ だが、その能力は、ステレオタイプの無意識の刷り込みにつながりかねない(「生セックス」が「よい」イメージに聞こえてしまったり)。
✔ 日本語の「コトダマ」の、強力であるがゆえの危険性に敏感であるべき
日本人は、世界でもまれに見る「生もの」大好き民族である。「生魚」はもちろん、「生チョコ」、「生卵」、「生ビール」、「生ウニ」・・・。こんなに「生」を冠した食べ物があふれているのは、世界中どこを見渡しても日本ぐらいだろう。「生」という言葉が持つ「新鮮」「つくりたて」「高品質」というポジティブなイメージが、我々の食欲をかきたてる。
同様の表現に、「ハーフ」がある。「カロリーハーフマヨネーズ」「ハーフ&ハーフどんぶり」「ハーフカットベーコン」「ハーフサイズ冷麺」・・・。ここでも、「ハーフ」という言葉が持つ「健康的」「お得」「お手頃」というポジティブなイメージが、我々の胃を刺激する。
なんといっても、日本人は、
○漢字という、バリバリの「表意」文字
○漢字にない「くだけた」雰囲気を持つひらがな
○外国の「オシャレな」雰囲気を持つカタカナ
を長年駆使してきたのだ。「文字とイメージを結びつけること」能力に世界一長けている民族と言っても過言ではない。
しかし、こと「性」・・・もっと大きく言えば、「多様性」という視点からみると、この能力は足を引っ張りかねない。
―「生セックス」(コンドームをつけないセックス)が「気持ちいい」ものとして(リスクに無批判に)ポジティブに捉えられていること、
―「ハーフ」という呼称を、国際結婚で生まれた人々に(差別的文脈があることに無自覚に)「かっこいい」イメージで使用すること、
例をあげれば、いくらでも出てくる(「嫁」や「主人」等)。こうした表現は街中にあふれ、固定観念を無意識にすり込んでくる。
SNSが日常にますます言語を氾濫させる中、我々日本人は、日本語という言語の「コトダマ」の同質性とその危険性にいっそう敏感であるべきだ。
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[…] (「コトダマの国」日本の危険性/The risk of Japanese for talking about sex)「生うに」「生ビール」「生チョコ」すばらしい、では「生セックス」は?Sometimes the Japanese language can be dangerous for describing sex. […]