なぜ同性婚は「気持ち悪い」のか

レシピ / RECIPE

(本レシピのポイント(作成者:ちろちろ))

✔ 同性婚を「気持ち悪い」と思うのは、(我慢している自分を肯定するために)全員が「平等に不自由な」社会を守るため

✔ 少数派を排斥することで成り立つ「気持ちよい不自由」を捨て、「気持ち悪い自由」を追い求める勇気こそ、今の世界に最も必要なもの

先日、茨城県知事が日本でも同性婚を「明確に認めるべきだ」と発言した。

早速Yahooニュース名物の罵詈雑言が飛び交ったが、その中にこういうものがあった。

どっちでもいいけど、気持ち悪いと思う自由もあって当然。認めないのはおかしい!とか言われても、ただ気持ち悪いだけ。みんな7色の旗振ったりするけど、あれも不快です。こう思うのも自由ですよね

なぜ「気持ち悪い」のか。発言者に真っ向から逆らうようだが、一言でいうと、発言者が「不自由」だからだ私たちの社会は、結婚(異性婚)制度に縛られている
「エラそうなこと言うのは結婚してからにしろ」
「あの年で結婚してないとか、よっぽど人格に問題があるんだろうね」

こんな言葉をぶつけられたことが一度や二度はあるだろう。みんなその「不自由なルール」に我慢して従っている。だから、それを「破る」行為は「気持ち悪く」「不快」なのだ。コロナの中、「自粛警察」が営業している店を非難するように。

自分が選べなかった選択肢を他者が選んだとき、人は、自分の苦しみを、「我慢の美徳」を、否定される思いがする。だから、全員が「平等に不自由な」社会を守るため、「気持ち悪い」と叫ぶ。これはある意味、自然な反応だ。「自由からの逃走」でフロムが述べたように、自由は苦しく、重い。「不自由」にとどまる方が、ずっとたやすい。

だが、自由から逃げつづけることの帰結を、我々はもう歴史から十分に学んでいるはずだ。少数派を排斥することで成り立つ「気持ちよい不自由」を捨て、「気持ち悪い自由」を追い求める勇気こそ、今の世界に最も必要なものである。

コメント / COMMENT

  1. […] 前回の記事を読んで、「日本の同性婚反対派は、サブウェイが嫌いだろうな」と思いました。世界有数のサンドイッチチェーン店ですが、日本では苦戦が続いており、この4年で200店近く […]

  2. […] (なぜ同性婚は「気持ち悪い」のか/Why Same-Sex Marriage is ‘Disgusting’?)同性婚を「気持ち悪いという自由」は、実は「不自由」ではないでしょうか?Some people say same-sex marriage is disgusting as they are actually envious about it. […]

タイトルとURLをコピーしました