(本レシピのポイント(作成者:ちろちろ))
✔ サンリオ展に行ったら余りにもジェンダーステレオタイプだった件。
✔ こんなのキティさんが見たら怒り狂うと思う。間違ってるよサンリオ展。
ハロー、ちろちろです。以前の記事で、キティさんに自信と勇気をもらった話をした。
特に感銘を受けたのが、YouTubeでの以下発言だった。
(下記リンクの2:20~)男性のキティちゃん好きが気持ち悪がられるのをなんとかしてほしい。男性でもキティちゃん好きなのはダメなの?
これはね、何度でも言うよ。ダメじゃない!本当これは、キティの力不足の面も大いにあって。女性のためだけのものっていうパブリックイメージからキティがまだ脱却できてないっていう。だから、つらい思いをさせちゃって、ごめんなさい。でもゆくゆくはね、イメージとかも関係なく、キティのことだけじゃなくて、誰のどんな好きも否定されない、否定しない、そういうふうになったらいいなってキティは思ってるから、がんばる、がんばるからね。
私自身、キティさんを「かわいこぶっている(=女性に「可愛くあること」を押し付けてくる)」存在だと長く思っていたので、この発言は本当に胸に響いた。「かわいい」を、女性の美徳や理想に押し込めず、自己肯定(のひとつの形)として脱ジェンダー化してくれる、圧倒的ロールモデル。それが、あの動画を観た後の、私のキティさんに対する評価となった。
だから、今回、「カワイイ」をテーマに、サンリオ創立60周年を記念する展覧会が開かれると聞いて、彼女と大喜びで見に行った。
会場の入口にそびえたつ巨大なオブジェに、テンションが上がる。ちらほら男の人の姿があったのも嬉しかった。そうだよ、「カワイイ」はみんなのものだ!オーディオガイドも購入し、ワクワクしながら展示を観ていった。
…
……
………
…………オーディオガイドを返却口に戻し、会場を出た。
…あれ?私の思い違いでなければ、、、
口を開く前に、彼女が言った。
…ずっと「サンリオは女の子の物」って感じだったね。
…うん。
そうなのだ。展示の内容を要約すると、
ということであり、常に目的語が「女」に固定されているのである(※ちなみにオーディオガイドで出てくる展覧会の責任者やサンリオ関係者は全て男性)。
まだ、①はわかる。サンリオ創立時(1960年代)は、「かわいいもの=女性のためのもの」という価値観が圧倒的であっただろうし、その中で企業として売るためにターゲット層を女性に絞ったのは当然だろう。だが、②③は現在~未来の話である。にもかかわらず、「かわいい=女性のもの」というイメージが一切変わらないまま展示が進行していき、最後は急に「かわいいは日本の宝!!かわいいは世界を救う!!」みたいな謎の大言壮語をぶちかましてくる様はもはやホラーである。
しかも、これらの展示のひとつひとつに「女性は思春期になれば異性を意識するもの!!」「女性同士の友情はもろい!!」「女性はいくつになっても可愛いものが好き!!」「女性なら誰でもサンリオショップに行ったことがあるはず!!」「女性なら結婚はしたいけど、働くことだってあるよね!!」…等々、数えきれないジェンダーステレオタイプがこれでもかとみちみちに詰まっているのだ。
キティちゃんの由来とかデザインの工夫とか、展示の核となる部分自体は大変興味深かっただけに、上質な素材に生クリームと砂糖と蜂蜜とチョコレートをどろどろにかけられたものを無理やり口に押し込まれているようで、正直、途中からずっと気持ち悪い満腹感でいっぱいだった。
冒頭で紹介した、キティさんのあのセリフは一体何だったのだろうか?「誰の好きも否定されない」はずじゃなかったのか?キティさんがこの展示を見たら絶対に激怒する。
「カワイイ」は、女性を縛る拘束具じゃないし、日本という国の優越感を高めるためのトロフィーでもない。キティさんが今も発信を続ける「カワイイ」は、ジェンダーの鎖からも愛国主義の鎖からも解き放たれているはずだ。私たちが自分を、他者を、世界を、肯定的に捉え、自信と勇気を得るための魔法の言葉のはずだ。
サンリオ展、間違ってるよ。
グッバイ。
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