(本レシピのポイント(作成者:ちろちろ))
✔ 内閣府男女共同参画局が「アンコンシャス・バイアス」を取り上げているが、
✔ そんな「きれいごと」言ってる場合ですか? (-“-;)
最近、アンコンシャス・バイアスという言葉がにわかに注目を集めている。 内閣府男女共同参画局が雑誌「共同参画」でとりあげたことに端を発するようなので、当該雑誌に目を通してみた。
我が国における男女共同参画の取組の進展が未だ十分でない要因の一つとして、社会全体において固定的な性別役割分担意識や無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)が存在していることが挙げられます。・・・これは、日本語で「無意識の偏ったモノの見方」のことです。他にも、「無意識の思い込み」「無意識の偏見」「無意識バイアス」等と表現されることもあります。
ふむふむ、なるほど?
アンコンシャス・バイアスは誰にでもあって、あること自体が問題というわけではありません。過去の経験や、見聞きしたことに影響を受けて、自然に培われていくため、アンコンシャス・バイアスそのものに良し悪しはありません。しかし、アンコンシャス・バイアスに気づかずにいると、そこから生まれた言動が、知らず知らずのうちに、相手を傷つけたり、キャリアに影響をおよぼしたり、自分自身の可能性を狭めてしまう等、様々な影響があるため、注意が必要です。
…?「良し悪しはありません」?
「女は低脳」「黒人は暴力的」みたいな、「悪い」アンコンシャスバイアスもある気が・・・ていうか、気づかずにいると悪影響が生じて「注意が必要」なら、それ、「良し悪し」あるのでは?
ま、まあ、最後まで読んでみよう・・・
Q.アンコンシャス・バイアスは解消できるものでしょうか。
A.具体的な対処法を3つお伝えします。
対処法1 決めつけない、押しつけない・・・自分の決めつけや押しつけの言動に気づいたなら、「これは、私のアンコンシャス・バイアスかも?」と疑ってみてください。頭ごなしに決めつけないこと、ひとりひとりと対話をしてみること、相手を尊重する心の姿勢を持つことがカギを握ります。
対処法2 相手の表情や態度の変化など「サイン」に注目する相手の心のあと味が、サインとなってあらわれます。…「私のアンコンシャス・バイアスによる言動が、相手の心のあと味を濁したかも?」と、ぜひ立ち止まってみてください。違和感をそのままにせず、フォローを心掛けてみてください。
対処法3 …大切なことは、アンコンシャス・バイアスに気づこうと、ひとりひとりが意識することです。「これって、私のアンコンシャス・バイアス?」と自分に問いながら、アンコンシャス・バイアスのメモを1~2週間とってみることもお薦めです。・・・「これって、私のアンコン?」が、組織全体の共通言語となり、互いに自己開示しあえることが、ひとりひとりがイキイキと活躍する社会に、一歩でも二歩でも近づいてゆくことにつながると思います。
・・・・・・???・・・????????
ここでもう、だめだった。
「自分で気づけない」から「アンコンシャス」バイアスなのに、「自分で気づく」ことが解決策なのは余りにもおかしい。
アンコンシャスバイアスを本当に「解消」したいなら、自分以外の誰かに「意識させてもらう」ことが必須のはずだ。そして、それはとても難しい。そんな奇特な「誰か」は滅多にいないから。
というのも、この記事で指摘されているとおり、アンコンシャスバイアスはその人の生き方や思考と深く結びついているので、真正面から指摘されたら、基本的にはむっとするだろう。「何が悪いんだ」と言い返してきたり、一気に関係が悪くなったりする可能性もある。
だから、大抵は諦められてしまう。 私の親戚に「男が料理するなんておかま」「女はすぐ辞める」等、3秒に1回アンコンシャスバイアスをばらまいている人がいるが、周囲は誰も指摘しない。「指摘したら怒るだろうし、結局聞き入れないだろうから、聞き流すしかない」と皆思っている。
よって、アンコンシャスバイアス解決の鍵は、「この人は間違いを指摘したら聞き入れる人だ」と周囲に信頼してもらうことにある。
※この記事で触れられている「決めつけない、押しつけない」「相手のことを気遣う」等の対策は、その信頼を培うためには役に立つと思う。
そういうわけで、このアンコンシャス・バイアスの記事はある程度話半分で聞く必要がある・・・というか、そもそも、この記事は、「みんなが知らず知らずに人を傷つけている可能性があるから気をつけようね」という人間としてめちゃくちゃ当たり前のことを、アンコンシャスバイアスなんたらかんたらと横文字でだらだらしゃべっているだけだ。
理解増進法案をめぐる自民党議員の差別発言のように、世間にド直球の偏見と差別が溢れている中で、きれいごとを書いている暇があるのかと言いたい。こういう「なんかとりあえず耳障りのいいこと言ってみました」感が、行政への信頼感を損なってるんですよ、自戒を込めて言うけど。内閣府男女共同参画局が本当にアンコンシャス・バイアスの問題に取り組む気があるなら、まずは社会の偏見と差別に真正面から立ち向かって、「周囲の信頼を得」てもらいたいと、同業者として心から忠告する。
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