✓ 前回の記事で、同性婚実現を願って初詣してきたことについて書いたのですが、
✓ その時、参拝先の住職さんの「外見至上主義」の対応に嫌な思いをした話です。
前回、初詣で同性婚実現を祈願してきた件について記事をアップした。
参詣先は、日本でも屈指の知名度を誇るお寺で、特に境内に飾られた絵が有名であったため、ついでに見学していこうと、きゃんきゃんと絵のあるお堂を訪ねた。
お堂は観光客で混んでいて、住職さんが交通整理しつつ絵のあるエリアまで案内していたのだが、私たちがその横を通り過ぎたとき、
ちょっとそこの人!日本語わかる?
と、大声で聞かれた。周囲の人の視線が、我々に集まるのを感じながら、またか、と思う。
きゃんきゃんはアメリカ人と日本人との間に生まれたため、いわゆる「平均的な日本人」の外見ではない。そのせいで、今まで何度も何度も、
・観光地でパンフレットをもらうとき、(目の前で日本語で喋っているのに)きゃんきゃんだけ英語のパンフレットをもらったり、
・体験教室で「日本語うまいですね!」と言われたり、
・店に入ったときに、店員さんが私にだけ声をかけてきたり、
といったことがあった。
それできゃんきゃんが酷く傷ついてきたのを知っているので、私は大声で「大丈夫です!」と返した。ところが、事態はこれで収拾しなかった。
いや貴方じゃなくて隣のおねえさんの話ね。日本語わかる?
なんともう一度、しかも更なる大声で、きゃんきゃんに向かって叫んだのである。彼女が死んだ目で「大丈夫でーす」と返すのを見て、非常に嫌な気持ちになったが、見学列がどんどん進んでいくこともあり、前に進むしかなかった。
そうして絵のあるエリアに辿り着いた瞬間、また先ほどの住職がやってきて、今度はこう叫んだ。
女の人は前の方に行ってください!はい、そこのあなた、そこのあなた、そこのあなたも!!
女性のほうが身長が低い傾向にあるため、多くの人が絵をスムーズに見られるように、ということだと思うのだが、「女性」と決めつけられるのは、性別違和がない私でもいい気はしなかった。
お堂を出て、きゃんきゃんと暫く無言で歩いた。だんだん怒りがわいてきた。
言えなかった憤懣が、胸の奥でとぐろを巻いて、体が重くなるのを感じた。
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そうして結局、何週間もたった今でも、もやもやが消えず、こうして記事を書いているわけだが、やはり最初に住職さんに言われたときに、「私も彼女も日本語がわかります。外見で決めつけないでください」と、きちんと伝えるべきだった、と後悔している。
2023年、同性婚実現に近づく年であってほしいと思うと同時に、もっと自分自身、身の回りの不公平に立ち向かう勇気を持てる年にしなければならないと、改めて決意した次第である。
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