【役人目線で】ここがスゴイよ名古屋高裁

レシピ / RECIPE

✓ 名古屋高裁でも「同性婚認めないのは憲法違反」との判決が出ましたね!

✓ 役人目線でみても、具体的な立法措置に触れたという点で大きな前進だったと思います

何度かこのブログでもご紹介してきた「結婚の自由をすべての人に」裁判ですが、

今回名古屋高裁でも判決が出て、「同性婚を認めないのは違憲」ということでした。

高裁判決はこれで4件目、いずれも憲法違反という結果が出ています。上記NHK記事でも早稲田大学の棚村名誉教授が以下のように仰っていますが、これだけでもすごいことです!しかし、私が感動したのは赤下線部です。

7日の判決について性的マイノリティーの問題に詳しい早稲田大学の棚村政行 名誉教授は「この判決によって同性婚訴訟における違憲判決の流れはほぼ固まったといえる。重い判断である高裁の判決が4つ連続で積み上げられたことは画期的と言え、今後の最高裁判決にも大きなインパクトを与えると考えられる」と述べました。

そして「条文の改正についても『性別中立的な表現に改めればいい』などと具体的な立法のしかたにまで触れ、『大きな問題はない』と指摘した判決は初めてではないか。また、婚姻以外の制度を設けるという選択肢も狭める内容だった。国会は、4件連続での高裁の違憲判断を重く受け止めるべきで、最高裁の判断を待つという姿勢では済まされない。待ったなしに、立法に向けた検討を始めないといけない」と話しています。

そう、仮に最高裁判決が出たとしても、立法の仕方まで具体的に踏み込んでくれないと、例えば「事実婚の範囲を広めに解釈してあげるからOKってコトで!」となりかねないのです。統一教会が頑なに同性婚の実現を拒んでいたように、一部の保守派にとって同性同士に異性婚と「同等の」権利を与えることは絶対のタブーなので。

え?そんなの、一部の過激派が言ってるだけなんじゃないかって?

いまの国会での選択的夫婦別姓の議論を見てください。法律で「夫婦別姓」を選べるようにしてほしいという訴えに対して、「通称使用の拡大」で応えようとしている政治家が沢山いますよね。

まったく同じことが、同性婚でもいえるわけです。
「パートナーシップの使える範囲を拡大してあげるよ!」的な。

もちろん、それだって一つの選択肢です(フランスの「パックス」という制度が似たような考え方)。けれどこの裁判は、法律婚の権利を求めるものであるということを、私たちは忘れてはいけません。

その意味では、名古屋高裁の今回の判決は、大変真摯に原告の主張に向き合ったものといえると思っております。我々役人にとっても(実務的な面でも)、裁判所が具体的に立法の仕方についてある程度踏み込んでくれれば、それに従ってサクサク立法の手続きを進められるので、大変ありがたいです。

最高裁判決が、こうした高裁での議論の積み重ねを踏まえたものになってほしいと心から願います。

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