私も生きているうちにふうふになりたい

レシピ / RECIPE

✓ 先日、親しい知人が亡くなりました

✓ きゃんきゃんとの結婚を、親より先に祝福してくれた人でした

先日、親しい知人が亡くなった。仮に「A子さん」とする。

本当に突然の出来事で、急ぎ午後休を取り、どたばたお通夜に駆けつけ、ご家族にお悔やみを申し上げ・・・。どこか夢を見ているような、ふわふわした気持ちだったが、お棺に収められているA子さんの、穏やかなお顔を見たとき、涙があふれた。

初めてお会いしたときのこと、ご一緒した旅のこと、連れて行ってもらった隠れ家レストラン、ふるまってもらった珍しいお菓子(カスドース)・・・。沢山の思い出が、胸に打ち寄せる。

中でも鮮明だったのは、A子さんに、きゃんきゃんとの結婚を報告したときの記憶だ。まだ結婚して1週間も経っていない時で、お互いの親の拒否反応も強く、正直、清水の舞台から飛び降りるつもりで伝えたのだが、

「おめでとう!」

満面の笑みとともに、その一言が帰ってきた。

「女同士で!?」とか「どっちが男役なの!?」とか「大変なんじゃないの」とか「親御さんが反対してるんじゃ」とか、そういうの、一言もなく。ただ、祝福してくれた。

あまりにシンプルであたたかいお言葉に、つい「日本だと、法的には結婚できないんですけどね」と、謎の謙遜というか自虐で返してしまったのだが、それにも、

「じゃあ、法的にも結婚したら、もう一度盛大にお祝いしましょう!」

と言ってくださって、本当に嬉しかった。なのに。

「結婚の自由をすべての人に」訴訟で嬉しい高裁判決が出て、最高裁もそう遠くない未来で。嬉しいご報告ができると思ったのに、逝ってしまわれた。

とても悲しい。

けれど、この痛みは、多くの同性カップルが味わってきたものだと思う。好きな人と法的にも結ばれたという報告を、大事な人に届けたいと多くの人が願い、けれど、今に至るまで叶っていない。

「結婚の自由をすべての人に」訴訟の原告のひとりである「こうぞう」さん、「ゆうた」さんカップルの取材でも、そんなシーンがあった。

ゆうたさん「いま生きている、私の父とこうぞうさんのお母さん。長生きはしてほしいけど、生きているうちに(ふうふに)なりたいよね」

こうぞうさん「そうね、うん…」

2人の願いは、誰もが愛する人と結婚できる、そんな当たり前の日が来ることです。

婚姻届は“不受理”だった……熊本の同性カップルの願い「愛する人と結婚したい」“僕らは家族”と言える日へ『every.特集』(2024年5月24日掲載)|日テレNEWS NNN (ntv.co.jp)

どうか、これ以上大事な人を失う前に、一刻も早く、結婚の自由が私たちにも保障されますように。

A子さん、いつかまた会えるとき、嬉しい報告ができるように、頑張ります。本当に、ありがとうございました。ずっとずっと、忘れません。

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