✓ 外国人労働者がはじめて200万人を超えた日本。
✓ 円安ということもあり、観光地で外国の方を見かける機会も多くなりました。
✓ これに伴い摩擦が増えるのは、過渡期の状況として仕方ないと思うのですが、ちょっと余りにもナチュラルに国籍差別する人が多すぎでは?というお話です
イギリスに留学しているとき、フランスの有名な観光地を訪れ、現地のガイドさんに案内してもらったことがあります。一通り歩き回って休憩していると、ガイドさんが話しかけてきました。
きみ、どこの国の人?
日本人です!
あー!じゃあ中国人や韓国人が嫌いでしょ?
あの人たち、本当にマナーが悪いもんね!
…(絶句)…いや、別に国籍で好きとか嫌いとかないです…
え~!?またまた。フランス人もイギリス人が嫌いだしさ(笑)
ガイドさんはにこにこ笑って、すぐ次の人に話しかけに行ってしまったのですが、なんとも心にしこりの残る会話でした。というのも、そのガイドさんは大変お客さんの望む話をするのがうまかったので。「中国人や韓国人のマナーが悪いとそのガイドさんが言うことで、喜んだ日本人が(おそらくそれなりに)いた」という事実をつきつけられた気分だったからです。
時は過ぎ、2024年。今年1月に厚労省が発表した調査では、はじめて日本国内で働く外国人労働者が200万人以上となったことが明らかになりました。
また、訪日外国人も、コロナの痛手を乗り越え、円安の状況もあって堅調に伸びています。
コンビニや居酒屋さんで働く店員さんが外国の方だったり、観光地で外国の方を見かけたりする機会も増えてきました。と、同時に、増えてきたのが、
などの、怒涛の「外国人差別」です。どうもこういうことをする人たちは「外国人は日本語わからないだろ」と思っているらしく、大仰な仕草とバカデカボイスで発話することが多いので、否が応でもこちらの目と耳に飛び込んできます。
私は、きゃんきゃんと結婚したことによって、この日本で「外国人ぽい」見た目であることがどんなに不利益な結果を招くか知ることになったので、ある程度は日本のこの「ガイジン」、それも、特に白人以外の外国人に対する偏見と差別の根深さをわかっていたつもりだったのですが、それでも最近あまりにこうした事態を見かけることが増えて、「ナチュラルに外国人差別をする日本人のあまりの多さ」にドン引きしております…。
海外で日本人がマナー違反だったり、うまく現地語がしゃべれなくてモタモタしたり、といったことがあって、それで「日本人は最悪」などと現地の人に言われたら烈火のように怒るくせに、なぜか日本にいる「外国人ぽい見た目の人」に異様に厳しく、極端な事例を一般化して鬼の首を取ったように騒ぐ、という凄まじいダブルスタンダードがそこにあるんですよね。
日頃、少数派の人の声に耳を傾けているような人でも、ナチュラルに外国人差別をする人が結構多くて事態の深刻さを思い知らされます。そんなんだから冒頭のガイドさんに「日本人は外国人差別の話題を持ち掛けたら喜ぶ」なんて失礼な思い込みをされるんですよね。
本当にそうした人が思うように「日本人が世界一マナーのいい民族」なら、外国人への差別なんか存在しないはずでは?どこの国から来た人にも礼節と敬意をもって接するのが「マナーのいい民族」じゃないでしょうか。「〇〇人は民度が低い」とか嬉々として話すような人は、少なくとも「マナーのいい」人間ではないです。
尊敬して信頼もしていた人が、「〇〇県は外国人が少なくて最高!」みたいな発言をしていたのでこの記事を書きました。ほんと勘弁してくださいよ、そんなふうに雑に誰かを踏みつけにできる人間は他の人も平気で踏みつけにできるんだから…。
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