【必読】同性婚実現活動パンフをすぐに読むべき7つの理由

レシピ / RECIPE

(本レシピのポイント(作成者:ちろちろ))

✔ MarriageForAllJapanという同性婚の実現を求めて活動する組織が、同性婚実現のために、同性婚のよくある疑問や困難事例などをまとめた「議員用パンフレット」を制作されました。

※22.11.30 最新情報を盛り込んで改訂されました。リンクはこちら

✔ 細部まで行き届いた、沢山の人に読んでいただきたい冊子だったので、「ダイマ」します!

どうも、彼女とお店やレストランに行くと、会計する際必ず「(支払いは)別々ですか?」と聞かれるのが地味にストレスなちろちろです(異性カップルには何も言わないのに…「どういう相手でも言う」「どういう相手でも言わない」のどちらかにしていただきたい)。

まあ一事が万事で、今の日本では同性カップルは限りなく透明に近い存在にされています。彼女と私も、いつも一緒にいるしお互いが世界で一番大事だしすべてを分かち合いたいと思っているし結婚式もあげたけれども、日本の法制度においては「他人」扱いです。

いい方に変わる兆しが見えるならまだよいのですが、先日の総裁選でも現総理に「認めるまで至ってない」と上目線で言われたばかりですし、微かな希望を持つことさえ難しいのが現実です。

そんな厳しい状況に一筋の、しかし確かな光を投げかけてくれたのが、同性婚実現に向けて日々努力しているMarriageForAllJapanさんが国会議員向けに作られたパンフレットです(既に衆議院・参議院の全国会議員の事務所へのご送付を完了し、メディア関係者にも配布されているとのこと)。

この冊子、とにかくめちゃくちゃ多忙で時間がない職業の方々(国会議員)に読んでもらい、納得してもらえるよう、非常に考え抜かれて作られた傑作パンフレットで、当事者としての思い入れを抜きにしても感動しました。たくさんの人にぜひ読んでいただきたいので、以下、適宜パンフレットを抜粋しつつ、その理由を7つのポイントに分けて説明します!!

①きゃんきゃんと私が登場する!

1つ目。なんとこのパンフレット、きゃんきゃんと私が登場するのです!!

どこにいるかわかりますでしょうか(^^)

…あっあっ待ってくださいブラウザバックしないで(;;)ふざけてるわけじゃないんです(;;)言いたいのは私たちを含め、同性カップルの写真が非常に多く使われているということです。特に表紙・裏表紙に沢山ちりばめられており、冊子を開かなくても、たくさんの同性カップルが目に飛び込んできます。これは、何かを強く訴えたいときにとても効果的です。「その人の顔を知っているか」は、その人の悩み事を解決したいと思うか、ということに大きく影響するからです。数万の匿名の声より、顔を知っている人の真摯な訴えに、人は動かされます。私たちが「同性カップル」というふわふわしたカテゴリーではなく、人格を持ったひとりひとりの集まりであるということを、このパンフレットは非常に明快に訴えかけてくれています。

②議員事務所に物理的に送付している!

これも大事なポイントです。どんなにいいパンフレットを作っても、読んでもらえなければ意味がありません。先ほど申し上げた通り、国会議員はとにかく時間がない…当然、パソコンで検索する時間もなければ、検索したものをプリントする時間もありません。さらに言えば、議員事務所には支持者からのお手紙や、各省から届けられた書類が常に山積みになっていて、パッと目に飛び込んでくるわかりやすいものでないと、議員の目には届きません(私たち国家公務員も、国会議員に政策を説明するときは、ポンチ絵とよばれるわかりやすい概要を作って説明しています)。その点で、【視覚的に極めてわかりやすいパンフレットを】【現物で議員事務所に届ける】というのは最善の方策です(本当は議員事務所に訪問すると更にいいでしょうが、なかなかこのコロナ禍では難しいので…)。

③現状の課題が簡潔にまとめられている!

多忙な議員にアピールするには、自分に引き付けて考えられる、具体的な課題やタスクに落とし込んで伝えることが肝要です(「同性婚がないのは不平等」だけでは、ぴんとこない議員がほとんどでしょう)。このパンフレットには、同性婚不在による沢山の問題点が視覚的にわかりやすく、簡潔にまとめられています。相続や福利厚生など身近でかつ大事な問題で、多くの不利益が起こっているとなれば、「確かにこれは辛い…」「こうした方がいいんでは…」と思ってもらえる確率はぐんと跳ね上がります

④客観的データを引いて議論を展開している

いわゆる「保守派」政治家の中には、「伝統的な価値観」や「国の安定」を乱すから同性婚は認められない、といった、「お気持ち」的反感を抱いている人が多くいます。そういう人には、何が効果的でしょうか?客観的データです。SNSやニュースですぐに発言が出回ってしまう現代において、非科学的なことを口走るリスクは、人気商売の政治家が一番よくわかっています。自分の発言にデータ上の裏付けがないことがわかれば、そーっと静かにそういう発言を(少なくとも公に)することからはフェードアウトしていくでしょう。このパンフレットで展開される議論の多くが、研究や科学的知見に裏付けられたものであることは、政治家を動かすのに大変効果的です。

⑤偏見・誤解に真正面から答えている

同性婚をめぐっては、様々な偏見や誤解が世の中に溢れています。正直、私たち当事者はウンザリしているところがあり、政治家がそういう偏見や誤解を口にすると、「この人はダメだ」と思ってしまいがちです。ただ、大体の場合、そういう政治家の多くが「忙しくて時間がないからどっかで聞いたことをもっともらしく口にしている」だけなのです。その状態を解消するには、どんなに面倒でも、丁寧に、簡潔に、その偏見や誤解をときほぐしていかないといけません。このパンフレットは、その作業を何ページにもわたって丁寧に行っており、本当に頭が下がります。正直、ここに書いてある内容を学校教育で必修化してもらいたいぐらいです。

⑥広い視点から同性婚制度を論じている

政治家が気にするもの、それは、①世論(国民)、②他国、③団体です。このパンフレットはそれら全ての視点を包含しています(①世論の支持が高まっていること、②他国でも同性婚制度が法制化されていること、③国連や学術会議も同性婚を支持していること)。特に、これは日本の政治家の特徴だと思いますが、欧米との比較よりは、アジアとの比較のほうが響く(日本がアジアで「一番進んでいる」ということに誇りを持っている人が多いので、アジアで「遅れている」となると焦るのです)傾向があり、「台湾で同性婚が法制化された」ことにきちんと触れているのは非常に大きいと思います。

⑦国会議員自体の状況に言及している!

国会議員は国民に投票してもらわなければ国会議員でいられません。そのため、票を争い合うライバルである同じ国会議員の動向は(選挙区が同じなら特に)いつも気にしています。早い話が、相手が票が集まりそうな(=多数派になりそうな)ことをしていたら、自分もしようとするのです。だから、「国会議員の間で同性婚への支持が広まっている(=同性婚を支持する議員がメジャーになりつつある)」という点をアピールするのは、めちゃくちゃ効きます。MarriageForAllJapanさんは「マリフォー国会メーター」という、国会議員の同性婚への賛否状況が一目でわかるサイトを運営していたり、その点を本当にしっかり考えて行動されている団体です。

以上、このパンフレットのすばらしさを(前のめりで)語ってきました。最後に、一番肝心なことは、こういうパンフレットが形になるということは、その裏に無数の努力があるということです。同性婚を望む仲間たち、応援してくれる人たちがたくさんいること。このパンフレットの存在は、その証なのです。国会議員をはじめ、たくさんの人が、このパンフレットを読み込んでくれること、私たちが結婚できる明日が早くくることを、心から願っています。

10月10日時点のマリフォー国会メーター

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