✓ 映画「ウィキッド」観てきました!
✓ めっちゃシスターフッド(女性同士の連帯)映画みたいな感じで宣伝されてたので楽しみにしていたら結構肩透かしだった…というお話。まあデプウルがよすぎたんですけどね

映画「ウィキッド」、シスターフッド映画だ!と思ってウキウキで観てきたわけなんですけれども。歌はよかったんですけれども…


うん…なんかね…うん…

まあ、前情報を全く入れずに、絵本で「オズの魔法使い」を読んだことしかない状態で行った私らも悪かったのかもしれんが、オズの世界ってあんな差別と偏見に満ちたマイノリティに冷たい場所だったんだね…。なんかグリンダとエルファバがふたりでドラゴンとか倒すぜ!イエーイ!みたいな映画なのかと(;;)

差別の描写がめちゃくちゃ生々しいわりに、グリンダ(「よい」魔女)とエルファバ(「悪い」魔女)が親交を深める理由がよくわからなくて、しかもなんか変な男が間に挟まってきて微妙な空気流れるし、最後はあれだしで、スッキリしないんだよな。前編だから仕方ないと言われればそれまでなんだけどさ。

グリンダが徹頭徹尾嫌な奴にしか見えないんだよなあ…。映画見てる間どこかで印象が違ってくるのかなと思ったけど全くそんなことなくて。差別に反対の声をあげるのもパフォーマンスにすぎないし、ずーっとふわふわしてて表面的な思考しかしないし、それで皆を笑顔にしたいとか言われても…。

とりあえず、シスターフッドではなかった。

「女同士の友情」の解像度が浅すぎるのではないかと…。

ていうかさ、なんでグリンダは最後エルファバについていかなかったん?エルファバは孤立無援なのに、最後の最後でその傍に立ってあげないのはさすがにギルティもギルティでは?どこが「親友」なんだよ。

私も気になってミュージカル版のあらすじ(後編で描かれるはずのパート)に目を通したんだけども…結局築き上げた地位を失うのが嫌だった、ということなんだと思うな。でも流石にすべての元凶である魔法学校の先生に抱き着くのはどうかと思ったよ。あんたの友達をめちゃくちゃに貶し差別しまくった奴やぞ。

「震えてるわ」→きったない布バサーはねえだろ。ぶっ飛ばしたくなったわ

そもそも、あのシーンに至るまでの二人の友情の掘り下げが浅すぎるのよ。パーティ会場でのシーンも、「エルファバが杖くれたし、なんか寄り添ってあげた方がいい人感あるから」っていう理由でグリンダが動いたみたいにも見えちゃうし。
どう考えてもフィエロ関係の描写がいらんかった気がするんだよね。二人の女が一人の男を取り合う!みたいな。急に恋愛関係でドロドロするのが、「女の友情って脆いよね(笑)」って感じで馬鹿にされた気持ちになるし、私は後編含むあらすじを読んだんでこのあとどうなるかわかってしまったんだけど…

え、どうなるの

異性愛エンドなんだよね

…解散で。

あ、いやまあ、グリンダとエルファバの友情も描かれはするんだけどね!?でもなんちゅうか中途半端なんだよな。『デッドプール&ウルヴァリン』という、相容れない二人が完璧な形でわかりあい結びつく映画を観てしまった後だからこそ、なんか余計肩透かし感があってさ…。

いやだってさ、プロモとか、公式グッズの売り方とかも、めっちゃ女二人の友情映画です!!なんなら付き合っちゃうかもです!みたいな感じだったじゃん!あんなのクィアベイティング(実際には同性愛者じゃないのにそういう雰囲気をほのめかして世間の注目を集める手法)だよ!

この映画のメッセージをもっと率直に表現するなら、「一面的なものの見方は危険」ということ、そして、「差別による分断こそがファシズムの最大の武器」ということだよね。そのメッセージ自体は、アメリカがあんなことになってしまった今、すごく響くと思うんだけど、だからこそ、「女の子同士が友情パワー!するキャワイイお話で~す」みたいな売り出し方がすごくもったいないなと思って…。

とりあえず…私はデプウルをもっかい観なおすわ。

このブログを読んでいる方で、オズの世界や原作に詳しくて、そういう解釈じゃないんだ!ってなる方がいたら教えて頂きたいですが。ひとまずそんな感想です…。
(終)
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